CNC旋盤とは? マシニングセンタやその他旋盤との違いを解説
目次
CNC旋盤は製造業の現場で中核を担うCNC機械で、円筒形状の加工に適しています。
また、 CNC旋盤 と マシニングセンタ は導入検討時によく比較される代表的な2機種です。
「どちらが回転するのか?」「治具が回るのか、それとも加工物が回るのか?」といった基本的な構造の違いから、実務的な導入判断のポイントまで分かりやすく解説していきます。
さらに、名称が似ていて混同されやすい機械もいくつか存在します。
類似機種との違いについても整理し、それぞれの特徴を実務目線で解説します。
CNC旋盤とは

CNC旋盤は円筒形状の製品を製造することに使われることが多いです。例えば、シャフト、ボルト・ナットなどの製造に適しています。加工の方法としては材料(ワーク)が回転して、刃物を当てて削ります。
大量生産に強く、自動車部品や二輪部品の現場では主力機種です。
非常に多くの製造業で使用されており、取り扱い件数も多い機械の一つです。インドネシアにおいても、中古機の出品・引き合いともに多い傾向があります。
マシニングセンタとは

マシニングセンタとは、フライス加工(平面や側面を削る加工)を中心に、穴あけ、タップ加工(ねじ山を切る加工)、中ぐり加工(既存の穴を高精度に広げる加工)など、複数の加工を自動で行うことができる工作機械です。加工の方法としては、工具(刃物)が回転し、固定されたワークに刃物を当てて削ります。
機種によっては工具を自動で交換する仕組み(ATC:自動工具交換装置)を備えており、1台でさまざまな加工工程を効率よく行える点が大きな特徴です。
CNC旋盤とマシニングセンタの決定的な違い

決定的な違いとしてあげられるのは、加工する製品の形状です。CNC旋盤は円筒形状の部品の加工を得意としており、一方、マシニングセンタは複雑な形状の製品の加工に適しています。
■ CNC旋盤
強み
円筒形状の高精度加工
→ ワーク自体が回転する構造のため、ブレの少ないきれいな円に仕上げやすい
外径・内径・ねじ切り加工
→ 主軸回転と送りを同期制御できるため、ねじ加工や内径加工が安定する。
弱み
平面加工が苦手
→ ワークが回転する前提の構造のため、広い面削りには非効率。
複雑な三次元形状
→ 基本はX・Z軸中心の回転対称加工向き。
■ マシニングセンタ
強み
平面加工・ポケット加工
→ 工具が回転し、ワークは固定されるため面削りに適している。
多面加工
→ 3軸・4軸・5軸制御により多方向から加工可能。
弱み
長尺丸物の加工
→ ワークを回転させないため、同軸精度管理が難しい。
丸物の大量生産効率
→ 旋削専用機よりサイクルタイムが長くなる。
CNC旋盤は「ワーク回転型構造」
マシニングセンタは「工具回転型構造」
この構造の違いが、そのまま得意・不得意に直結しています。
NC旋盤・ターニングセンタ・汎用旋盤との違い
NC旋盤

NC旋盤とCNC旋盤は加工内容自体はほぼ同じですが、制御方式に違いがあります。CNC旋盤はコンピュータによってプログラムを記憶・演算しながら制御を行うのに対し、NC旋盤は数値データに基づく固定的な制御によって動作します。そのため、CNC旋盤はプログラムの編集や複雑な加工への対応が容易で、段取り変更にも柔軟に対応できます。一方、NC旋盤は加工内容の変更には制約があり、柔軟性の面ではCNCに劣ります。
ミスが起きる原因からみる両者の違い
NC旋盤とCNC旋盤では、ミスが起きる要因が異なります。NC旋盤の場合、仕上がり精度はオペレーターの熟練度に大きく左右されます。例えば、外径φ50の指示に対してφ49.6まで削ってしまうといったミスが起こることがあります。工具摩耗や機械の特性を考慮した微調整をオペレーターが手作業で行う必要があります。経験や感覚に依存する部分が大きいため、技能差が品質に直結します。
一方、CNC旋盤では加工条件や補正値を数値データとして入力します。例えば、本来Z方向補正を+10mmで入力すべきところを100mmで入力してしまうと、機械はその誤った指示も正確に実行します。CNCは非常に高精度で動作するため、人為的な入力ミスもそのまま再現してしまうという特性があります。
つまり、NC旋盤では「熟練度」が品質を左右し、CNC旋盤では「データ入力の正確性」が品質を左右します。
ターニングセンタ(複合加工機)

ターニングセンタとは、CNC旋盤をベースに回転工具による加工機能を追加した複合加工機です。
簡単に言えば、旋盤にマシニングセンタの機能を組み合わせた機械であり、従来の旋削加工に加えて、側面への穴あけやフライス加工なども行うことができます。
これにより、丸物部品を中心としながらも、多工程の加工を1台で完結できる点が大きな特徴です。
汎用旋盤

汎用旋盤とは、ハンドルやレバーを操作して刃物を手動で移動させ、回転する材料を削る旋盤です。NC旋盤やCNC旋盤のような数値制御装置は搭載されておらず、作業者の操作によって加工を行います。そのため、精度や仕上がり品質はオペレーターの熟練度に大きく左右されます。一方で、NC旋盤やCNC旋盤と比較すると導入コストを抑えることができるというメリットがあります。
設備導入の判断ポイントと機種の選び方
設備導入の際には、どのような形状の製品を生産するのか、どの程度の生産数量を見込んでいるのか、そして投資可能なコストはどれくらいかといった要素を総合的に判断する必要があります。
円筒形状中心で量産を想定するのであればCNC旋盤が適しており、複雑形状や多面加工が多い場合はマシニングセンタが適しています。また、多工程を1台に集約したい場合はターニングセンタの導入も検討対象になります。
まとめ
CNC旋盤
円筒形状の加工を得意とする工作機械であり、ワークが回転する構造によって、ブレの少ない安定した円形加工が可能です。特にシャフトやボルトなどの量産加工に強みがあります。
マシニングセンタ
工具が回転する構造で、平面加工やポケット加工、複雑な三次元形状、多面加工に適しています。角物やブロック材の加工では柔軟性の高い設備です。
両者の決定的な違いは「回転構造」と「得意とする形状」にあります。
・丸物+側面加工まで1台で行いたいなら ターニングセンタ
・コスト重視・試作中心なら 汎用旋盤
・コストを抑えつつ、扱えるオペレーターがいるなら NC旋盤
最終的には、加工内容・生産量・投資回収期間のバランスを踏まえた上で、自社の生産体制に最も適した設備を選定することが重要です。
CNC旋盤は新品導入だけでなく、中古設備を活用することで設備投資を大幅に抑える選択肢もあります。
当社では、
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