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インドネシアで工作機械を売却したら税金はいくら?中古機械売却時の法人税・VATを解説

Fajar yuta |

「使わなくなった工作機械を売却したいけど、税金はどうなるのだろう?」

工場のレイアウト変更や生産終了、設備更新などにより、不要になった工作機械や生産設備を売却するケースは少なくありません。こうした場面で、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

よくある疑問としては、

「売却代金に直接税金がかかるのか?」

「税金はいつ支払うのか?」

「VAT(PPN)は発生するのか?」

などがよく上がってきます。

今回は、インドネシアで工作機械や設備を売却する際の税務上の取り扱いについて、解説します。


税金がかかるのは「売却代金全額」ではなく「売却益」

設備を売却した場合、「100万円で売れたら100万円に対して税金がかかる」というわけではありません。

法人税の計算上、課税対象となるのは「売却益」です。

例えば、10億ルピアで導入したプレス機が、生産計画の変更によりほとんど使用されないまま売却されるケースを考えてみましょう。
累計減価償却額が1億ルピアの場合、帳簿価額(簿価)は9億ルピアとなります。
売却価格がこの簿価を上回れば売却益、下回れば売却損が発生します。

この機械を10億ルピアで売却した場合、

売却価格 10億ルピア − 簿価 9億ルピア = 売却益 1億ルピア

となります。


この1億ルピアが法人税計算上の利益として扱われ、原則として法人税の課税対象となります。

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売却益だけを単独で納税するわけではない

設備売却時によくある誤解として、

「機械を売却して利益が出たので、その利益に対してすぐ税金を支払う」

というものがあります。

しかし実際には、工作機械の売却益だけを切り離して課税するわけではありません。

売却益は会社全体の課税所得に含めて法人税が計算されます。

つまり、工作機械の売却益は会社全体の利益に加算される一つの要素に過ぎません。


・本業による利益

・設備売却による利益

・その他の収益や費用

を合算し、会社全体の課税所得を計算します。

そのため、設備売却で利益が出たからといって、その利益だけに対して別途法人税を納付する仕組みではありません。


どれくらいの納税をするのか

設備売却による利益は、会社全体の課税所得に含めて法人税が計算されます。そのため、設備売却だけに特別な税率が適用されるわけではなく、会社に適用される法人税率に基づいて税額が決まります。

主な法人税率は以下のとおりです。


一般納税企業:22%(標準法人税率)

上場企業(一定の要件を満たす場合):19%(22%から3%軽減)

中小企業(年間売上48億ルピア以下): 一般納税企業の22%から50%軽減の11%が適用されます。


設備を売却して利益が出ても法人税が発生しないケース

実は、設備売却で利益が出ても法人税が発生しないケースがあります。
それは、会社全体として赤字の場合です。
例えば、本業で大きな損失が発生しており、設備売却による利益を加算しても最終的な課税所得がマイナスとなる場合、原則として法人税は発生しません。
そのため、
「設備を売却して利益が出た=必ず法人税を支払う」
というわけではない点に注意が必要です。

「会社が赤字で清算や事業整理を進める中で設備を売却する必要がある。ただ、これ以上費用はかけられない」と心配される方もいらっしゃいます。しかし、設備売却による利益は会社全体の損益の一部として計算されるため、最終的な課税所得が赤字であれば、原則として法人税は発生しません。

最終的な税負担は、設備売却だけではなく、会社全体の損益状況を踏まえて決まります。

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工作機械を売却するとVAT(PPN)は発生する?

法人税とは別に、VAT(PPN)の取り扱いにも注意が必要です。

一般的に、課税事業者(PKP)が工作機械や設備を売却する場合は、PPN(11%)が課税されます。

例えば、機械を10億ルピアで売却する場合は、

  • 売却価格:10億ルピア

  • VAT(PPN)11%:1.1億ルピア

  • 請求総額:11.1億ルピア

となります。

売主は売却時にTax Invoice(Faktur Pajak)を発行し、VAT申告に反映させる必要があります。

なお、VAT(PPN)は売主が最終的に負担する税金ではなく、通常は買主から預かったVAT(PPN)を国へ納付する仕組みです。そのため、売主が実質的にVAT(PPN)を負担するものではありません。


保税工場(Bonded Zone)の設備売却はさらに注意が必要

保税工場の設備を売却する場合は、法人税やVAT(PPN)だけでなく、税関への通関手続きも必要になります。

保税工場では、設備や機械を輸入する際に関税や輸入VATなどの優遇措置を受けているため、設備を売却する際には、保税区域から搬出するための税関手続きや許可申請が必要となる場合があります。

「設備を売却して終わり」と思っていたものの、後から税関手続きの不備が判明し、追加対応を求められるケースもあります。スムーズに売却を進めるためにも、あらかじめ制度を理解しておくことが大切です。

保税工場から設備を売却する際の具体的な手続きや必要書類、注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。 保税工場から設備を売却する予定がある方は、ぜひあわせてご覧ください。


まとめ

インドネシアで工作機械や設備を売却する際、法人税の対象となるのは売却代金全額ではなく、帳簿価額(簿価)との差額である「売却益」です。また、この売却益だけが単独で課税されるわけではなく、会社全体の利益と合算した課税所得に対して法人税が計算されます。

設備売却時にはPPN11%が別途発生します。さらに、保税工場(保税地域内)の設備を売却する場合は、税関手続きも必要となるため注意が必要です。

不要設備の売却は資金回収の有効な手段ですが、税務の取り扱いを事前に把握したうえで進めることが重要です。