工作機械における切削工具とは?種類や役割、中古品購入時のポイントを解説
目次
切削工具とは、工作機械で金属や樹脂などを加工する際に使用される工具の総称です。材料を削るだけでなく、穴あけやねじ加工、仕上げ加工など、さまざまな加工に使用されます。マシニングセンタや旋盤、フライス盤などの工作機械に取り付けて使用され、加工精度や加工効率を左右する重要な役割を担っています。
また、新品だけでなく中古の切削工具も数多く流通しており、コストを抑えながら必要な工具を調達できる点が大きな魅力です。
一方で、切削工具にはさまざまな種類があり、それぞれ用途や特徴が異なります。そのため、加工内容に適した工具を選ぶことが重要です。なかには新品よりも安価に入手できる中古品もあります。
中古品を購入する際には、摩耗や欠けなど工具の状態をしっかり確認することが重要です。本記事では、切削工具の代表的な種類や用途をわかりやすく解説するとともに、中古で購入する際に確認すべきポイントについてもご紹介します。
工作機械における切削工具とは
工作機械における「切削工具」とは、金属や樹脂などの材料を切削・研削・穴あけといった加工方法で成形するために使用する部品や刃物の総称です。旋盤やマシニングセンタ、フライス盤などの工作機械に取り付けて使用し、材料を削ることで目的の形状や寸法に仕上げていきます。
工具は工作機械本体とは別に管理される消耗品であり、加工内容や材料の種類、要求される精度に応じて適切なものを選定する必要があります。
切削工具の主な種類
切削工具にはさまざまな種類があり、それぞれ得意とする加工内容が異なります。そのため、加工する材料や目的に応じて適切な工具を選ぶことが重要です。
ここでは、代表的な切削工具の種類と、それぞれの用途や特徴についてご紹介します。
ドリル
材料に穴を開けるための切削工具です。丸穴の加工を目的として使用され、貫通穴や止まり穴の加工が可能です。また、タップ加工前の下穴加工にも使用されます。
主にマシニングセンタ、ボール盤、NCボール盤、旋盤(回転工具付き)で使用されます。
エンドミル
平面加工、側面加工、溝加工、ポケット加工、輪郭加工などに使用される切削工具です。ドリルとの違いは、先端だけでなく側面にも刃があること。回転しながら真上から掘り下げるだけでなく、横方向にスライドさせて材料を削ることもできるため、たとえば四角い箱状のくぼみ(ポケット)を彫り込んだり、部品の輪郭に沿って複雑な形を切り出したりする加工に向いています。主にマシニングセンタやNCフライス盤で使用されます。
フライス(フライスカッター)
広い平面や段差、肩部を加工するための切削工具です。複数の刃を持つ円盤状・円筒状の工具が回転しながら材料の表面をなめるように削っていくため、木材をカンナで削るように、広い面を一度に平らに仕上げることができます。
用途に応じて
・フェイスミル(平面用)
・スクエアショルダーミル(段差用)
・サイドカッター(側面用)
などの種類があります。
主にマシニングセンタやフライス盤で使用されます。
バイト
旋盤で使用される切削工具です。ドリルやエンドミルとは逆に、工具ではなく材料側が高速回転し、そこに固定されたバイトの刃を当てて削っていきます。回転する丸棒から、外径を細く削ったり(外径加工)、内側をくり抜いたり(内径加工)、端面を平らにしたり(端面加工)、溝を掘ったり(溝加工)、部品を切り離したり(突切り加工)、ねじ山を刻んだり(ねじ切り加工)と、円筒形の部品加工に幅広く対応します。
主に旋盤で使用されます。
タップ
穴の内側にめねじを加工するための切削工具です。あらかじめドリルで開けた下穴に、らせん状の刃を持つタップをねじ込むように回転させながら差し込んでいくと、穴の内壁にねじ山が刻まれていきます。
主にマシニングセンタ、ボール盤、タッピングマシン、旋盤で使用されます。
リーマ
ドリルで加工した穴を仕上げるための切削工具です。ドリルで開けた穴は表面がわずかに粗く、寸法にもばらつきが出やすいため、リーマを穴に通してごくわずかに内壁を削り取ることで、穴を正円に近づけ、寸法精度を高めます。やすりで表面をなめらかに仕上げるようなイメージで、大きく削る工具ではなく「最後の一皮を整える」役割を担っています。
主にマシニングセンタ、ボール盤、旋盤で使用されます。
中古切削工具を購入する際のポイント
切削工具は新品だけでなく、中古品も流通しています。現在では入手しにくい型番が見つかる場合があるほか、新品よりもコストを抑えて調達できることも中古工具ならではのメリットです。
一方で、中古品は工具の状態によって性能が大きく異なるため、購入前にいくつか確認しておきたいポイントがあります。
1. 刃先の摩耗や欠けを確認する
中古切削工具で最も重要なのが、刃先の状態です。摩耗や欠け、変形がないかを目視で確認し、必要に応じてルーペなどを使用して細部まで確認しましょう。
刃先の摩耗が進んでいる工具は、本来の加工精度が得られず、寸法不良や仕上げ面の悪化につながる可能性があります。また、切削中に工具が破損するリスクも高まります。
2. 未使用品・未使用に近い工具を探してみる
中古市場には、実際にはほとんど使用されていない工具が出品されることがあります。
例えば、以下のような理由で売却されるケースがあります。
・発注数量や型番の間違い
・機械仕様との不適合
・生産ラインの縮小・廃止
・在庫整理
このような工具は、新品に近い状態でありながら、新品より安価に購入できる場合があります。中古工具を探す際は、「未使用品」「未使用に近い」といった商品もあわせて確認すると選択肢が広がります。
3. 保管状態を確認する
工具は保管状態によって品質が左右されます。錆や腐食がないか、湿気の多い場所で保管されていなかったかを確認しましょう。
まとめ
ここまでご紹介したように、切削工具にはドリル、エンドミル、フライス、バイト、タップ、リーマなどさまざまな種類があり、それぞれ加工できる内容や使用する工作機械が異なります。
また、中古市場には新品同様の状態で流通している工具や、現在では入手が難しい型番が見つかることもあり、コストを抑えて必要な工具を調達できるという大きなメリットがあります。
一方で、中古品を購入する際は、使用状況によって工具の状態が大きく異なります。刃先の摩耗や欠け、錆の有無などを十分に確認し、加工精度に影響を及ぼさない状態かどうかを見極めることが重要です。
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