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インドネシア保税工場で中古機械を売却するときの税関手続きと注意点を解説

Fajar yuta |

インドネシアの保税工場で中古機械を売却する際、適切な手続きを経ずに工場外へ搬出してしまうと、税務・税関上の問題に発展する可能性があります。

保税工場は通常の工場とは異なり、税関管理の対象となっているため、機械の移設や売却時には所定の手続きが必要です。インドネシアの保税工場では、機械・設備の購入から使用・移設・廃棄・売却に至るまで、すべての動きが税関上で管理されています。必要な申請や承認を経ずに搬出・売却を行った場合、追徴課税や行政上の問題に発展するリスクがあります。

本記事では、保税工場における中古機械売買について、確認すべきポイントから実際の税関手続き・実務フローまで解説します。


保税工場とは何か

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インドネシアには「保税地域」と呼ばれる特別な製造エリアがあり、輸入原材料・機械設備に対する関税・VATなどを免除・猶予する制度が設けられています。主に以下の2種類があります。


・Kawasan Berikat(KB)

指定された保税工業団地・区域内で操業する形態。輸出向け製造が中心で、区域全体が税関の管理下に置かれる。


KITE(Kemudahan Impor Tujuan Ekspor)

個別の輸出製造業者に付与される制度。KB区域外の工場でも輸出製品に使用する原材料・機械の関税還付・免除が受けられる。


税関による厳格な管理

保税工場に搬入された機械設備は、税関データベース上の「管理対象物品」として継続的に管理されています。輸入時に関税・VAT等の免除・猶予を受けているため、税関当局は設備の所在や使用状況を把握しています。

無断搬出・国内転売・不適切な廃棄処理が行われないよう、設備の移動・売却・処分には適切な申請と記録管理が求められます。税関監査において帳簿と現物の不一致や未申告の搬出が発覚した場合、追徴課税や行政上の問題につながる可能性があります。

実際に起こりうるリスクの例をまとめました。

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税関手続きの実務フロー

以下に4つのステップで進め方をまとめます。なお、実務上の取り扱いは税関側の判断や状況によって異なる場合があるため、事前に所轄税関へ確認のうえ進めることを推奨します。


ステップ1:税関書類の発行

保税区の企業が機械設備を国内関税地域(TLDDP)へ販売する場合、まず税関申告書類を発行する必要があります。必要な書類の種類は、当該機械が輸入品か国内調達品かなどの条件によって異なります。状況別の書類一覧は以下をご参照ください。

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ステップ2:関税・税金の追加納付の要否確認

保税区からTLDDPへ資本財を搬出する場合、設備の使用期間・輸入時の取り扱い・設備区分・保税制度区分(KB/KITE)等の条件次第では、輸入関税(Bea Masuk)・輸入VAT(PPN Impor)・PPh22輸入について追加納付が不要となるケースがあります。

一般的に、保税区内で一定期間以上使用された資本財については、税関上の条件を満たす場合に免税・免除が適用されることがあります。実際の適用可否は、事前に管轄税関へ確認することをお勧めします。

ケース①:追徴不要となる例

  • 輸入した工作機械を保税工場内で4年以上使用

  • 設備台帳・税関登録が一致している

  • 通常使用による国内売却

→ 上記の条件を満たす場合、輸入関税・輸入VAT・PPh22輸入の追加納付が不要となるケースがあります。

ケース②:追徴課税が発生しうる例

  • 輸入後まもなく国内へ売却

  • 使用実績が短い

  • 税関登録が未更新

  • 設備の用途変更がある

→ 輸入時に免除されていた税金の納付を求められる可能性があります。


ステップ3:申告処理の所要日数

税関申告の処理期間は、法令上明確な期限が定められていない場合もあり、企業区分(グリーンレーン/レッドレーン)・税関の混雑状況・書類内容によって異なります。グリーンレーンの場合、午前中に申告を提出すれば、通常は当日中にSPPB(貨物搬出承認書)が発行されます。


ステップ4:レッドレーンの場合の現物検査

レッドレーンに分類されている企業は、搬出承認前に現物検査が必要となり、最大3営業日程度かかる場合があります。


グリーンレーンの場合

 BC申告提出 → システム審査 → SPPB発行

レッドレーンの場合 

BC申告提出 → SPJM(レッドレーン通知書)発行 → 現物検査(最長3営業日) → SPPB発行


なお、税務上は販売価格に対して11%のVAT(PPN Output)を課税する必要があり、税務インボイス(Faktur Pajak)の発行も必要です。


まとめ

保税工場における中古機械売買は、通常の中古設備取引とは異なり、税関手続きと税務処理を適切に踏まえたうえで進める必要があります。保税設備は税関上の「管理対象物品」として扱われるため、売却・搬出の際には適切な申請と承認が不可欠です。

実際の手続きは、管轄税関・会社区分(グリーンレーン/レッドレーン)・設備の内容・税関の業務状況によって対応が異なるケースもあります。

保税工場内の中古機械を売却・搬出する際は、必ず事前に管轄税関へ確認を行い、必要な手続きと書類について指示を仰ぎながら進めることをお勧めします。